百草の季節に

トグル制震構法の教室の窓から
バスケットゴールの影をぼんやり見てた
今まで僕らは何を 何を思い
何を笑い何を嘆き何を失ったのか

今の時期が肝心だと大人は言うけれど
今だって何もない日の積み重ねなわけで
ふと気づけば卒業もすぐそこにある
このままじゃダメだと二年前から思っている

陽が沈む 今日もまた
毎日が逃げてゆく 気づかぬままに

花も色づく 百草の季節に
ただ一人 遠く見つめている
こんなに綺麗に金木犀も咲くのに
ただ一人 遠く見つめている

時間に忘れられたよな古い音楽棟
夢見心地なハーモニー奏でていたね
あの歌の意味が分かった気がしたその時
時の坂道を一歩 素足で踏みしめた

花も色づく 百草の季節を
体じゅう 感じながら歩こう
桜の道を駆ける自分に捧ぐ
ありふれた時を流れる歌

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