びろうどの夢

握り拳のワケは 掌の奥を隠したかったから
悔し涙のワケは 目の前をかすめたかったから

雨の降る路地をかけてくる 子犬が囁く『肌寒いね』って
白い便箋を開き 滲んだインクが目にとまり
気づいた夢を見ていたんだね
びろうどにくるまってたように
禁じられた時計の渦から
抜け出せない 抜け出せない
びろうどの夢


春夏秋冬と 守り通した夢がほつれたのは
ほんのボタンのかけ違い 些細な思い違いのせい


封筒の隅にコーヒーを零した小さなシミが目にとまり
指で軽くなぞると 冷たいことに気がついた


誰かの温もりが欲しい
びろうどにくるまってるように
封じられた記憶の底が
溶けるようで 燃えるようで びろうどの夢

絹のような記憶が 上澄みを漂う

気づいた夢を見ていたんだね
びろうどにくるまってたように
禁じられた時計の渦から
抜け出せない 抜け出せない
びろうどの夢の中で 僕は小雨の路地に抜け出した
禁じられた時計の針が
進むような 戻るような
びろうどの夢

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